脊柱管狭窄症の手術のリスクは高い？

脊柱管狭窄症は症状が軽い場合には内服薬などで緩和させることが可能ですが、症状が進行した場合には手術が必要と診断される場合もあります。
ただし、手術をすることで合併症などのリスクも多少は生じる可能性があるのです。
また、手術の方法や執刀する先生の技術によっても大きく変わります。
そのため、全て手術をすることによってリスクが生じるとは言い切れない部分もあるのです。
特に、人によっては手術が良くなかったと感じる場合も出てくるでしょう。
改善が見られなければそう思ってしまうのも当たり前です。
他にも、運悪く合併症になってしまう方も当然います。
ただし、手術に踏み切る先生もいるということは相当リスクが高いというわけではありません。
本当に手術が必要と判断された結果であり、リスクが高すぎるなら痛みが強くても投薬のまま進めるでしょう。
リスクは人によっても違いがあり、脊柱管狭窄症の場合も同じことが言えます。
一概に高いリスクがあるとは言い切れないので、リスクについて不安のある方は先生と相談するか、セカンドオピニオンなどを受けて再度検討するようにしましょう。

脊柱管狭窄症の手術方法を３つご紹介

脊柱管狭窄症にはどのような手術があるのか。３つピックアップして紹介していきます。

MEL（内視鏡下腰椎椎弓切除法）

MELは内視鏡を用いて狭窄している場所を広げる手術です。内視鏡を用いるため手術でのキズを小さくすることができます。また同時に筋肉も大きく切り開く必要が無くなるため患者への負担は少なく、入院期間も1週間程度で済むのです。また抜糸も早いため2週間程度で日常生活の制限は無くなります。
一方で内視鏡で狭窄を広げられない場所では実施することができません。また椎弓とよばれる背骨の一部を切り取ってしまうため、手術後の骨に不安定性を残すリスクがあるのです。

出典：脊柱管狭窄症治療で「もう手術しかありません」と言われたら読むべきサイト

術後は骨に不安定性を残すリスクのある手術方法ですが、切開する場所が最小限に抑えられることから、負担の少ない手術を行うことができる方法です。切開が最小限であるため回復も早く、抜糸も2週間でできるメリットがあります。早く日常生活に戻りたい方に適した方法でしょう。

FEL（完全内視鏡下腰椎椎椎弓切除術）

FEL（FESS）は、直径7mmの微小内視鏡下で肥厚した黄色靭帯を切除する手術です。筋肉の剥離が従来の手術方法より少なく、全身麻酔で行います。

出典：岩井整形外科内科病院：腰部脊柱管狭窄症

FELは片側だけに痛みが出るタイプの方など一部の腰部脊柱管狭窄症にのみ相性が良いため、適応が限られた手術になります。また、高度な技術が必要となるので、実施できる医師が少ないという特徴もあります。それでも、傷の回復が早く傷跡も小さめなので負担がない手術です。

ME-PLIF／TLIF （低侵襲経椎間孔的椎体間固定術）

手術は最小侵襲法で、腰椎椎間板変性症、腰椎不安定症などの治療の一つとして、内視鏡とX線透視装置を使用して椎体間を固定します。はじめに疾患部位の椎間板を取り、そこにチタン製の「ケージ」と呼ばれる鳥かごのようなものを入れます。ケージには腰骨から取った骨を詰め込んであります。次にネジを4本入れて、ネジとネジを「ロッド」というチタン製の金属棒でつないで固定します。

出典：岩井整形外科内科病院：ME-PLIF／TLIF （内視鏡下腰椎椎体間固定術）

ネジで固定するタイプの手術方法ですが、術後の痛みや感染症のリスクが低いのが特徴。呼吸器系の合併症も少ないので、比較的安全な手術になります。また、脊柱の安定性を失うことが非常に少ないので、安定性が高く日常生活への復帰も早めです。

脊柱管狭窄症の手術のリスクについては担当医師と要相談

打診されればどうすればいいか迷ってしまう方も多いでしょう。
しかし、リスクは医師も知っているからこそ、大丈夫だという確認がある場合があります。
それでも心配な場合は医師に相談し、セカンドオピニオンも行ってください。
1人で抱え込む必要はないので、あらゆる専門家に相談して安心できる方法を選べるようにしましょう。

脊柱管狭窄症の手術はリスクが高いって本当？どんな手術方法があるのかご紹介！